DWG NO. CD-2026-002
SCALE — NTS
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CITIZEN DEVELOPMENT PROGRAM — INFRA ALTERNATIVES

Proxmoxがなくても、
今日から始められる。

「社内にサーバーを立てられる人がいない」「Proxmoxのような仮想化基盤は準備が大変そう」—— そんな場合でも市民開発は始められます。GitHub と AI壁打ちの仕組みはそのままに、 アプリの実行場所だけを差し替える4つのパターンを紹介します。

A-1 / WHAT CHANGES

変えるのは「実行場所」だけ

開発の流れ(VSCode+Claude → GitHub → Actions で自動デプロイ)は全パターン共通。差し替えるのは矢印の先、アプリが動く場所だけです。

FIG. 1 — 差し替えポイントの全体像

✓ ここは全パターン共通(変えない) VSCode + Claude 開発・AI壁打ち GitHub コード・権限管理 GitHub Actions 自動デプロイ ここを選ぶ ⇄ 実行場所は4つから選ぶ P1. 余りPC + Cloudflare Tunnel 社内のミニPC1台で「なんちゃって社内サーバー」 P2. Tailscale(VPN型) 参加者の端末だけをつなぐ「見えない専用ネット」 P3. クラウドPaaS + 認証 Cloud Run / Azure に置いて会社アカウントで制限 P4. ホスティングサービス Vercel / Render / Streamlit で最速プロトタイプ

つまり:Proxmox は「アプリの置き場所」のひとつに過ぎません。GitHub Actions の deploy 先の設定(数行)を書き換えるだけで、同じワークフローがどのパターンでも動きます。

B-1 / PATTERNS

4つの構築パターン

上から順に「社内に閉じる度合い」が高い順です。扱うデータの機密性と、かけられる手間で選びます。

P1

余りPC + Cloudflare Tunnel

無料枠あり アクセス制限◎

使わなくなったPCやミニPC(1〜3万円)を1台、社内に置くだけ。Proxmoxのような仮想化基盤は不要で、Docker を入れてアプリを動かします。

ポイントは Cloudflare Tunnel。PCから外向きにトンネルを張るため、会社のルーターのポート開放が一切不要です(情シスに嫌がられる作業がない)。さらに Cloudflare Access を組み合わせると、指定したメールアドレスの人だけがアプリを開ける状態にできます。

COST
ミニPC代のみ。Cloudflare Zero Trust は50ユーザーまで無料枠あり
SKILL
Docker と cloudflared の初期設定(AIに聞きながらで半日程度)
BEST FOR
Proxmox 構成に一番近い体験を、最小コストで再現したい場合
余りPC Docker + アプリ (机の下でOK) 外向きトンネル ポート開放不要 Cloudflare Access で門番 許可された 人だけ

DIAGRAM P1 — TUNNEL + ACCESS

P2

Tailscale(VPN型プライベートネット)

無料枠あり 閉域性◎

「参加者の端末どうしだけをつなぐ、見えない専用ネットワーク」を数分で作れるサービス。アプリを動かすPCと参加メンバーのPCに Tailscale を入れてログインするだけで、お互いが専用アドレスで直接つながります。

ネットワークの外からはアプリの存在自体が見えないため、閉域性は4パターン中で最も高め。難しいVPN機器の設定は不要です。

COST
個人利用は無料枠あり。チーム利用は少人数なら月数百円/人程度から
SKILL
各端末へのインストールとログインのみ(最も簡単な部類)
BEST FOR
少人数チームで、機密性の高いデータを扱うプロトタイプ
Tailscale の専用ネット(外からは見えない) アプリPC 100.x.x.x A B C A・B・C = 参加メンバーの端末(入れてログインするだけ)

DIAGRAM P2 — PRIVATE MESH NETWORK

P3

クラウドPaaS + 会社アカウント認証

従量課金(小規模なら数百円/月〜) 認証で制限○

サーバー管理を丸ごとクラウドに任せるパターン。Google Cloud Run や Azure App Service / Container Apps にコンテナを置けば、電源・OS更新・故障対応から解放されます。GitHub Actions からの自動デプロイとの相性も抜群です。

「社内限定」は認証で実現します。Cloud Run なら IAP(Identity-Aware Proxy)、Azure なら Entra ID 認証を有効にすれば、会社の Google/Microsoft アカウントを持つ人だけがアクセスできます。会社が M365 や Google Workspace を使っているなら特にスムーズです。

COST
アクセスが少なければ無料枠〜数百円/月。使った分だけ課金
SKILL
クラウドの初期設定(プロジェクト作成・認証設定)に少し学習が必要
BEST FOR
プロトタイプを卒業して、部署全体で常用する段階
GitHub Actions push で自動デプロイ ☁ Cloud Run / Azure サーバー管理おまかせ 使った分だけ課金 🔒 会社アカウント 社員のみ

DIAGRAM P3 — MANAGED CLOUD + AUTH

P4

ホスティングサービス(Vercel / Render / Streamlit など)

最速・最簡単 無料枠あり

「GitHub リポジトリを接続したら、もうデプロイ完了」の世界。Actions の設定すら不要で、push するたびに勝手に公開URLが更新されます。要件定義書・UIモックのようなHTML資料の共有や、Streamlit 製の簡易ツールの公開に最適です。

ただし注意点として、無料枠はURLを知っていれば誰でも開ける公開状態が基本。パスワード保護やSSO制限は有料プランになることが多く、商用利用の条件もサービスごとに異なります。機密データを扱わない初期プロトタイプ専用と割り切るのがおすすめです。

COST
個人検証は無料枠あり。アクセス制限や業務利用は有料プランを確認
SKILL
ほぼゼロ。GitHub 連携ボタンを押すだけ
BEST FOR
ステップ02〜04の「資料の壁打ち」段階、機密を含まないデモ
GitHub push するだけ 自動連携 Vercel / Render / Streamlit Cloud https://app.vercel.app ⚠ 基本は誰でも閲覧可 Actions の設定すら不要。設定時間 約5分

DIAGRAM P4 — ZERO-CONFIG HOSTING

C-1 / COMPARISON

4パターン比較表

迷ったら「扱うデータの機密性」を最初に考えてください。それが許容範囲なら、あとは手間の少ない順に選べばOKです。

項目 P1 余りPC+Tunnel P2 Tailscale P3 クラウドPaaS P4 ホスティング
初期費用 ミニPC代(1〜3万円) ほぼゼロ ほぼゼロ ゼロ
月額費用 電気代程度Cloudflare 無料枠内なら 無料〜数百円/人 無料枠〜従量課金 無料枠あり業務利用は要プラン確認
社内限定の
しやすさ
Access で門番設置 ネット自体が見えない 会社アカウント認証 無料枠は基本公開制限は有料になりがち
構築の手間 半日〜1日 1時間程度 半日程度クラウドの学習込み 5分
向いている段階 本格プロトタイプ〜常用Proxmox 構成の代替 機密データを含む検証少人数チーム 部署展開・常時稼働スケールも視野 資料共有・初期デモステップ02〜04向け
C-2 / DECISION FLOW

どれを選べばいい? — 判断フロー

2つの質問に答えるだけで、スタート地点が決まります。あとから乗り換えるのも簡単です(Actions の deploy 先を変えるだけ)。

FIG. 2 — パターン選定フローチャート

START 機密データや 社外秘の情報を 扱う? YES P1 or P2 社内 or 閉域に閉じ込める 端末だけで完結 → P2 サーバーPCを置ける → P1 NO みんなで常用する 本番アプリにする? YES P3 クラウドPaaS 会社アカウント認証で運用 NO(まずは試す) P4 ホスティング 5分で公開して壁打ち開始

おすすめの育て方:P4 で最速の壁打ち → 手応えが出たら P1/P2 で社内に閉じる → 部署展開で P3 へ。どの段階でも GitHub 上のコードと開発フローはそのまま引っ越せます。

D-1 / CAUTIONS

始める前の3つの確認

どのパターンでも共通のチェックポイントです。特に会社の情報を扱う場合は、先にここをクリアしてください。

CHK-1

情シス・上長への事前相談「社外サービスに業務データを置いてよいか」「PCを常時稼働させてよいか」は会社のルール次第。P4→P1と勝手に進める前に、扱うデータの種類を明示して相談しておくと後がスムーズです。

CHK-2

機密データは「置き場所」を最初に決める図面・原価・顧客情報などを扱うなら、クラウドに置く前に必ず確認。迷ったら、まずはダミーデータでプロトタイプを作り、本物のデータは社内(P1/P2)に閉じてから接続するのが安全です。

CHK-3

無料枠の「落とし穴」を知っておく無料プランはアクセスがないとアプリがスリープする、商用利用に制限がある、独自ドメインが使えない等の条件があります。壁打ち段階では問題ありませんが、常用を始める前にプランを確認しましょう。

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